クリスマスにおススメ!文字のない幻想的な絵本おすすめ特集

言葉が生まれるずっと前、世界は“絵”と“音”と“気配”だけで満ちていたと言われたら、どんな景色を思い浮かべるでしょうか。
 文字のない絵本を開くと、まるでそのはじまりの世界にそっと入り込んだような気持ちになります。
 物語は語られず、ただ静かに広がり、ページをめくる手のひらがストーリーテラーになる——。
小さなお子さんでも、大人でも、目の前の絵からそれぞれ違う“物語”を見つけられるのが、言葉のない絵本の魔法です。
 音もないのに賑やかで、説明がないのに心だけはどこまでも動いてしまう…。
 そんな、想像力が自由に羽ばたく“やわらかな世界”へ、今日はご案内します。

🎨『フラワー・フェアリーズ』シリーズ(シシリー・メアリー・バーカー)大日本絵画
妖精たちが美しく描かれた、幻想世界の定番。
 植物と妖精の繊細なタッチは、大人も見入ってしまうほど。ページをめくるたびに「こんな妖精がいたらいいな」と想像がふくらみます。

 
🎨『The Snowman(スノーマン)』(レイモンド・ブリッグズ)評論社
文章ゼロの名作。
 雪だるまと少年の一夜限りの冒険が、絵だけで優しく伝わってきます。クリスマスの雰囲気にぴったりで、何度読んでも胸がほっこり温かくなる作品です。

🎨『うたがみえる きこえるよ』(エリック・カール)偕成社
バイオリン奏者の最初のセリフ以外は、全く文字のない、イラストのみの絵本です。作者からのメッセージでは、ある人はこの絵本は宇宙の創造だといい、ある人は悲しい物語だといったそうです。はじめはモノクロだったバイオリニストがカラフルになっていくところも素敵で見どころです!

🎨『かようびのよる』(デヴィッド・ウィーズナー)徳間書店
独特の世界観で大人気の絵本作家ウィーズナーによる、代表的な“文字のない絵本”。
 真夜中にカエルたちが空を飛ぶ……ただそれだけなのに、子どもは大喜び、大人は驚きと笑いに包まれる不思議な一冊。

🎨『木のうた』(イエラ・マリ)ほるぷ出版
1本の大木を画面の中央に据え、木をめぐる自然の変化を追いながら、生命への愛を歌い上げた美しい絵本です。その美しさは、「美術館に行ったような気分になれる」というコメントがあるほどです!

 

クリスマスが近づくと、家の中に灯る明かりも、街に漂う冷たい空気も、いつもより少しだけ特別に感じられます。
 子どもたちの胸に眠る物語のタネも、この季節になると、きっと静かに芽を出すのでしょう。
文字のない絵本を開けば、雪の音や夜空のきらめき、暖炉のぬくもりまでもが、ページの向こう側からそっと語りかけてきます。
 親子で寄り添いながら、ページをめくる度に「今日はどんな冒険が待っているのかな?」と想像をふくらませる時間は、
 クリスマスがくれる最高の贈り物かもしれません。
どうぞ、この季節だけの“静かな魔法”を、子どもと一緒にゆっくり楽しんでください。
 きっと絵本の世界が、クリスマスの夜をさらにあたたかく照らしてくれますよ。