小さいお母さん

小さいお母さん

 

「もうお姉ちゃんなのだから!」

下の子が生まれることによって、ある日突然お兄ちゃんお姉ちゃんになってしまう長子の子ども。

 

今回は、懐かしい経験をひとつご紹介したいと思います。

下の子が生まれて間もない頃、上の子が夜なかなか寝てくれず、何かにつけてすぐに泣いてしまうということがありました。

ちゃんと夜は寝せないと…

お姉ちゃんになってもらわなきゃ…

そんな気持ちから、私は「寝なきゃだめ!寝なきゃだめ!」と言い続け、「お姉ちゃんなのだから泣かないの!」と言い聞かせました。

しかし、一向に落ち着く気配はありませんでした。

 

そんな毎日に疲れてしまい、

夜寝なくてもまあいいか。

甘えてきたってまあいいか。

あなたのお気の済むままにどうぞ。

お母さんはとことん付き合いますよ!

半分諦め、半分開き直ったような気持ちになりました。

 

夜中に寝なくてもよくなった娘は、私が下の子に授乳をする度に起きてきました。

毎日添い寝している人形を抱えて、私の隣に座り、着ているパジャマをガサガサとめくって人形に授乳をしました。

私は“3歳のお母さん”と見つめ合い、そしてお互い笑い合う。

 

「まぁいいか。」が教えてくれたのは、笑い合える心の余裕が大切だということでした。

言うまでもありませんが、娘は徐々に落ち着きを取り戻し、下の子を可愛がるようになりました。

お父さんお母さんだけでなく、お兄ちゃんもお姉ちゃんも、徐々に成長していくのだと学んだ出来事でした。