心に残る絵本
突然ですが、皆さんは子どもの頃に、あるいは大人になって読んだ絵本の中に、心に残る絵本がありますか?
『ちびくろ・さんぼ』※
私は、子どもの頃、この絵本が大好きでした。
虎がグルグルまわってバターになるお話ですが、有名なこの場面のバターの絵がとても美味しそうだったことや、『虎がグルグル回ってバターができるなんて、なんてこと!』と、子ども心に色々な意味で衝撃を受けました。もう何十年もその絵本を観ていませんが、その場面の絵は今でも鮮明に覚えています。
私が保育園に勤めていた頃、子ども達に毎日絵本を読んでいました。
表紙の題名を読み上げると、静かになってみんなの期待に満ちた目が一斉にこちらを向く瞬間。かわいくて思わず微笑んでしまう、私の好きな瞬間でした。
絵本の選択は、いつも子ども達にお願いしていました。それぞれお気に入りの絵本を手に、嬉しそうに持って来ていました。
その時の絵本が、成長した子ども達の心の片隅に留まっていてくれたら、どんなにうれしいでしょう。
読み聞かせの大切さや絵本の魅力があちこちで聞かれる今では、保育現場だけでなくご家庭でも絵本に触れる機会が増えているのではないでしょうか。
絵本は子ども達が楽しむ物と思われがちですが、絵の素晴らしさに感動したり、物語に吸い込まれたり、大人でも楽しめる物があります。
一瞬でも、心を奪われてその世界に入り込める、そんな体験ができたら素敵だと思いませんか?
秋の夜長、そんな出会いがあるといいですね。
※『ちびくろさんぼ』
約100年以上前、ヘレン・バーナマンが離れて暮らす子ども達のために手作りした絵本。
世界中で人気となったが、日本では人種差別の問題で一時絶版。その後1999年、灘本昌久翻訳で復刊し、2005年にはシリーズで復活。
https://honcierge.jp/articles/shelf_story/3161 (honciergeホンシェルジュより引用)