不思議の国のアリス症候群
今は成人している私の二女が幼かった頃のお話です。
「変な気持ちがするー!!」
ドライブ中、突然後ろから大きな声で叫ぶ二女…。何の前触れもなく突然叫ぶので、運転していた私はビックリして飛び上がってしまうこともありました。「なに?!」と聞き返しますが、本人はパニック状態で、「変な気持ちがする!」と大きな声で繰り返すばかり。
ある時は、これは主に発熱した時に多いのですが、「変な気持ちがするー!」と叫ぶと同時にしきりに両方の手のひらを見て振り払うしぐさをしていました。「どうしたの?」と聞くと、「石が!大きな石が重い!」と何か大きな物を持たされているかの様に辛そうにしていました。
普段の何もない時に「どんな時変な気持ちがするの?」と聞くと、「よくわかんないけど、この前は地球が爆発した。」と真剣な顔で答える二女…。どうやら、突然頭の中に特殊な景色が現れたり特殊な体験をさせられ、そんな時に変な気持ちがする様です。
成人した今では症状が全く出なくなったので、いったいあれは何だったのかとずっと不思議に思っていたのですが、先日、同じ様な症状のことをあるテレビ番組で放送していました。
皆さんは「不思議の国のアリス」のお話しをご存知ですか?主人公のアリスの見る世界が歪んでいたり、アリスの体が大きくなったり小さくなったりする作品です。
「不思議の国のアリス」の作者が実際に経験した世界を描いたと言われています。
思春期、青年期に出る症状で、不思議な世界を見てしまう原因は分かっておらず、治療法も確立されていないそうです。ピカソや芥川龍之介らにも似た症状があったという説があります。
先日のテレビ放送を見て、他にも二女と同じ症状のお子さんがいらっしゃること、社会に認識されていることが分かり何だかスッキリした気分になりました。子ども達が見る世界は時に大人の常識からは想像できない不思議な世界を経験する様です。
お子様から特殊な経験を聞いた時は、どうぞ「そんなことあるわけない」と否定せず、「そうなんだ」と共感してあげて下さい。共感された事が自分を認めてもらえた喜びになり、それが周囲の人を大切に思う優しい気持ちになっていくと言われています。お子様の面白い体験話が聞けるといいですね。